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2021.05.06

「第1回」気化性防錆紙の種類「含浸タイプ」「塗工タイプ」の違いについて

気化性防錆紙は、『紙』と『気化性防錆剤』の複合材料(梱包資材)です。紙は、一般的に茶封筒などに使用されている未晒クラフト紙を用いています。見た目通りの紙ですので、カッターナイフやハサミなどで簡単に切ることができます。
 気化性防錆剤は、単純に『防錆剤』と呼ばれることもあります。一般的に複数の薬品からなり、徐々に気化(ガス化)するタイプの薬品が用いられています。しかし、単に『防錆剤』とだけ呼ぶ場合、まったく気化しない防錆剤を意味することもあります。

 ちなみに「防錆:ぼうせい」と読みます。「ぼうさび」ではありません。「ぼうさび」では重箱読みになります。電話対応の際、そこそこの割合のお客様が「ぼうさび」と言われています。「防錆紙 = ぼうさびし」は違います。「防錆紙 = ぼうせいし」です。

・ 含浸タイプ(紙の中に気化性防錆剤が含まれるタイプ)
弊社製品の「アドパック-G」「アドパック-S」「アドパック-C」「アドパック-ZV」です。
紙に、気化性防錆剤を溶かした液体を浸み込ませ、溶剤のみを除去して紙の中に気化性防錆剤が含まれた状態にします。

・ 塗工タイプ(紙の表面に気化性防錆剤と接着剤(のり)を混ぜたものを塗ったタイプ)
弊社製品の「アドパックホワイト」です。
水に気化性防錆剤と接着剤を混ぜたものを紙に塗り、水のみを除去して「紙」と「気化性防錆剤 + 接着剤」の二層構造にします。

 気化性防錆剤として代表的なDICHAN(ダイカン) [ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩、CAS No. 3129-91-7]を使用した気化性防錆紙について、簡単に説明いたします。
 DICHANは、何十年も昔から使用されていますが、水に溶けにくい性質です。水1リットルに約0.1グラム*しか溶けませんので、前述の「含浸タイプ」として製造することが困難です。そこで、DICHANを接着剤と併せて水に分散させることで、DICHANは紙に均一に塗ることが可能になります。身近にある「分散させたもの」の事例としては、「ペンキ」や「歯磨き粉(チューブタイプ)」などがあります。

 弊社製品の「アドパックホワイト」は、このDICHANの気化性防錆紙です。

* 職場のあんぜんサイト:化学物質:GHSモデル SDS情報
http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/GHS_MSD_FND.aspx

次回は、秋山が担当いたします。次々回は、私が担当で、腐食(錆)の原理:酸化還元反応について解説いたします。

【 細川 】

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