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Column 技術屋の解説

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2013.10.24

第6回/全17回 防錆紙と防錆油の使い勝手のちがい(1)

前回は防錆性能についての比較でしたが、今回と次回は使い勝手を中心に比較してみましょう。

表4をご覧ください。前回の表3と同じように、評価の欄のマーキングが左にあるほど望ましいことを表わしています。

防錆油を塗ったり防錆紙で包装する前にはその金属を洗浄する必要がありますが、どれほど必要なのかは防錆油と防錆紙で違うと思います。

金属の表面に汚れや異物、とくに金属を錆びさせやすい性質をものがくっついたままですと、防錆油も防錆紙も効果を発揮できなくなります。十分に洗浄することが大切ですが、防錆油の場合は防錆油を塗ることによって、単純に付着しただけの汚れや異物を取り除く作用が期待できます。
しかし、防錆紙には単に付着しただけのものであっても取り除く作用はありません。

次の項目は、防錆油や防錆紙を使用した後で結露が起きたことを想定しています。
防錆油で処理された金属表面が結露すると、結露した水は防錆油の下にもぐりこんでしまい防錆油の効果は損なわれるでしょう。
しかし、防錆紙で包装していれば、結露した水には防錆紙から防錆剤が溶け出して錆を防いでくれますし、余分な水は防錆紙が吸い取ってくれますから、防錆効果は持続されます。

3つ目の項目は、防錆油や防錆紙の役目が終わって、防錆していた金属製品を使うときを考えています。
どのような使われ方になるかによって違いはあるでしょうが、塗装やめっきなどが行われるときに防錆紙を使用していたならば、それを取り去るだけで十分でしょう。
しかし、防錆油を用いていたら脱脂の作業が必要になります。金属製品が塗装などせずにそのまま組立工程で使われるものですと、ゴミなどのコンタミ除去のために洗浄されることかが多いでしょう。
そのときでも、防錆油を用いていると洗浄液への負担が大きいですが、防錆紙ならばそれは小さくて済みます。

最後の項目は、使い終わった防錆油や防錆紙を処理するときの負担を想定しています。
防錆油は脱脂の作業で脱脂液に溶けていますから、脱脂液の性質によって処理法が異なります。
アルカリ脱脂ならば排水規制に基づいた処理が必要になりますし、溶剤脱脂ですとVOC対策や溶剤の処理が負担になるでしょう。それに対して防錆紙ならば、可燃ゴミとして捨てることができます。

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