第5回/全17回 防錆紙と防錆油の効力はどちらが大きいか - 気化性防錆紙(adpack)製造販売|アドコート株式会社
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Column 技術屋の解説

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2013.09.12

第5回/全17回 防錆紙と防錆油の効力はどちらが大きいか

防錆油に多くの種類があることは、既にお話してきました。
それは防錆油の使われ方がさまざまであることを映しているといえるでしょう。
このさまざまな使い方のなかには防錆紙で置き換えることができる場合がいっぱいあると思います。
私は、防錆油をお使いになっている方々にも防錆紙を正しく知って欲しいと願っています。

そこで、防錆紙と防錆油とをくらべることで、防錆紙の理解を深めていただこうと考えました。
今回から3回に分けて、いくつかの品質において防錆紙と防錆油とをくらべたときどちらが勝るか、
お話しましょう。

まずは防錆性能を取り上げます。
防錆紙も防錆油も多くの種類がありますが、それらを細かく分けずにおしなべてエイヤーでまとめてくらべますと表3のようになるでしょう。

評価の欄にある黒のマーキングが左にあるほど望ましいことを表わしています。これは、試験結果に基づいて判定したわけではなく、私の経験と知識からざっくりと導いたものです。

(a)”防錆力”は両者とも優れていて優劣はつけられないと思いますが、使われる環境によっては優劣があるかもしれません。

(b)”速効性”については、防錆紙よりも防錆油のほうが優れているでしょう。

何故ならば、防錆油の場合は油膜ができればすぐにバリア効果が発揮できるのに対して、
防錆紙の場合には防錆紙から防錆剤が気化して相手の金属に到達しないと性能を発揮できません。
ですから、性能を発揮するまでにわずかながらも時間がかかります。

一方、(c)”複雑な形状部分への効果”は、防錆紙が勝っているでしょう。

防錆油は、さらさらしているものを選んだとしても、所詮は液体ですから、その表面張力のために、
小さい孔の中や複雑な形状の金属製品の隅々など微細な部分には入り込みにくい性質があります。
それに対して防錆紙の場合は、防錆紙から気化した防錆剤は気体ですから、
どんな細かな場所にも入り込めます。

最後の(d)”汎用性”については、明らかに防錆油が勝っていると言えます。

防錆油は油膜によるバリア効果によって金属を保護していますから、金属の種類によって効果の大きさが変わることはありません。
他方の防錆紙は、金属表面に化学的に作用する防錆剤の働きによって金属を防錆しますから、
防錆紙は金属の種類にかかわらず何でも良いというわけにはいきません。
相手の金属にマッチした防錆紙が必要になります。選択を間違えると防錆どころか、逆に錆びさせてしまうこともあります。

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