第4回/全17回 防錆油に含まれている防錆剤の働き(2) - 気化性防錆紙(adpack)製造販売|アドコート株式会社
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Column 技術屋の解説

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2013.08.21

第4回/全17回 防錆油に含まれている防錆剤の働き(2)

前回、防錆剤がさびの発生を防ぐ作用は、「防錆剤が鉄鋼表面に吸着することによって生まれる」と説明しました。今回も防錆剤の話ですが、具体的にどんな物質が使用されているか述べましょう。

防錆油に使われている防錆剤の名前は、カタログやホームページなどには公開されていません。専門書から拾い上げますと、表2のようになります。”金属塩”の付く名前が多いですね。少し難しくなりますが、名前に”金属塩”の付く防錆剤は、”有機酸塩”と呼ばれる物質のグループに分類されます。

“塩”は”酸”と”アルカリ”がくっついてできていることはご存知ですよね。食塩(塩化ナトリウム)も”塩”ですが、これは塩化物イオンとナトリウムイオンとが強い結合で結びついています。しかし、”有機酸塩”は食塩にくらべるとずっと弱い結合で結びついているだけです。このため、防錆油によそから別の物質が混入すると、侵入した物質によって結合が切られてしまい、防錆油がもつ本来の効力が失われてしまうおそれがあります。防錆油の取り扱い説明書などに、「酸性やアルカリ性の強い環境で使わないように」との注意書きがあるのはそのためなのです。

防錆油には非常にたくさんの種類の防錆剤が使われていますが、その中でもスルホン酸のバリウム塩やバリウムせっけんは、優秀な防錆性能をもっていることから、広く使われています。しかし、近年、安全性の観点から欧米を中心にバリウムを使うことが規制されたために、バリウム塩を含まない防錆油の開発が進んでいます。ところが、スルホン酸のバリウム塩やバリウムせっけんに代わる優秀な防錆剤がないのが現実で、防錆油のメーカーはどこも苦労しながら工夫を重ねています。

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